加齢臭を初めて感じたのは枕のニオイだったという人は多いですよね。
頭や耳の裏は加齢臭が出やすい場所で、枕は長時間それらの場所と密着するためニオイが移ってしまうのです。
移ってしまった加齢臭は、なかなか洗っても落ちません。
加齢異臭が落ちない理由や加齢臭が残りやすい素材、加齢異臭を落とす洗濯方法など、詳しくご紹介したいと思います。
加齢臭が洗濯で取れない理由

加齢臭は30代頃から現れる独特の体臭のことです。
一般的に男性の加齢臭が注目されますが、女性も加齢臭は出ているんですよ。
年齢を重ねると毛穴から分泌される油状の物質・皮脂がねっとりとしたものに変化していきます。
皮脂の粘性が増すことで洗っても落ちにくく残ってしまいます。
残った皮脂は酸化しニオイを発生させます。
このため「油っぽい」ような加齢臭特有のニオイになるんですね。
詳しくは『なぜ加齢臭はクサいのか? 加齢臭の原因とメカニズム』
年と共にねっとりとした皮脂に変わるため、洗濯してもニオイが落ちずに残ってしまうことがあります。

皮脂は油状の物質。
油汚れって落としにくい汚れの代表ですよね。
加齢臭が落ちにくいのは、油汚れだからです。
皮脂よる油汚れが蓄積されて、ニオイまでしっかり落ちない状況を生み出している可能性があります。
衣類の繊維の奥にまで皮脂が染み込んで、普段の洗濯では落とせず加齢臭が残ってしまいます。
加齢臭が洗濯で落ちにくい理由は、油汚れだから。
ということは、油汚れであることを踏まえれば対策が打てるはずですよね。
まずは、加齢臭が残りやすい素材について詳しくご紹介します。
加齢臭が残りやすい素材
加齢臭が落ちにくかったり、残りやすい素材があります。
例えば加齢臭がうつりやすい枕カバー。

だいたいデザインや色、価格などで購入を決めていますよね?
加齢臭が気になる人は、ぜひ素材もきちんと吟味してほしいと思います。
下着類やワイシャツは常に身につけているものですから、注意してほしいと思います。
染み付いた加齢臭は落としにくいので、まずは加齢臭のつきやすい・落としにくい素材を避け、加齢臭がつきにくい・落としやすい素材を選ぶようにしましょう。
ニオイがつきやすい素材
加齢異臭が落ちにくく避けたほうが良い素材は化学繊維です。
化学繊維
- ポリウレタン
- ナイロン
- ポリエステル
- アクリル

化学繊維とは、その名の通り科学的に合成して作り出した繊維のことです。
主原料は石油でポリエステル、ナイロン、アクリル、ポリウレタンなどが多くの衣類に使用されています。
化学繊維の特徴
- 大量生産に適している
- 型崩れしにくい
- シワになりにくい
- 強くて丈夫
- 乾きが早い
- 虫食いに強い
- 吸湿性が劣る
- 汚れが落ちにくい
- 静電気が発生しやすい
- 熱に弱い
ニオイに関わってくるのが、通気性・吸湿性・汚れの落ちやすさです。
これらが低いとニオイがつきやすく、落としにくくなってしまいます。
全部の服を化学繊維ではない服に変えるのは難しいですが、最低でも下着類やワイシャツは化学繊維を避けるのがベストです。
また枕カバーや布団も加齢臭が染み込みやすいので、素材には注意しましょう。
ニオイがつきにくい素材
加齢臭などのニオイがつきにくい素材は、天然素材です。
天然素材
- 綿(コットン)
- 麻(リネン)
- 絹(シルク)
- 羊毛(ウール)

天然素材とは植物や動物の毛を原料とした天然の繊維です。
天然の素材のため化学繊維と比べて価格は高めです。
天然素材の特徴
- 高価
- シワになりやすい
- 乾きにくい
- 通気性に優れている
- 肌に優しい
- 吸湿性が高い
- 静電気が発生しにくい
- 虫食いに弱い
- 縮みやすい
天然素材の衣類は通気性と吸湿性に優れているため、ニオイが残りにくいです。
ニオイがこもりにくいので、加齢臭が気になる人は対策として衣類を見直してみましょう。
ただし化学繊維と比較しても、天然素材の衣服は値段が高いので一気に全てを変えることは厳しいですよね。
下着や靴下などから少しずつ移行していくのがオススメです。
さらに洗濯の仕方や洗剤もニオイを落としやすい方法で行うのが理想的ですね。
加齢臭が取れやすい洗剤

加齢臭は体から発生しますが、そのニオイは衣類に染み込んでしまいます。
そのため体を清潔にするだけではニオイ対策としては不十分です。
身につけている服をこまめに着替えたり、きちんと洗濯をすることが大切です。
ただ洗濯をするだけではなく、ニオイを落としやすい洗剤を使用してみるのもオススメです。
加齢臭を落としやすい洗剤
- 弱アルカリ性
- 酵素系漂白剤
- 塩素系漂白剤(白物のみ)
加齢臭は皮脂の汚れからニオイが発生してしまいます。
ワイシャツの襟元が汚れで黄色く変色する原因も皮脂汚れだからです。
皮脂は油なので、洗っても落ちにくくニオイも残りがちです。

弱アルカリ性の洗剤は、酸性汚れを分解することに優れています。
酸性汚れとは油汚れなので、皮脂汚れを落とすのに適しているんですね。
合成洗剤を使用したくない場合には、自然由来成分の重曹やセスキ炭酸ソーダが弱アルカリ性質を持っていますので代替ができます。
毎日洗濯していてもニオイが戻ってくる場合には、酵素系漂白剤を試してみてください。

酵素系漂白剤は過炭酸ナトリウムが主成分で、頑固な汚れを分解します。
繊維のニオイも分解して落としますので、強く染み付いてしまった加齢臭には酵素系漂白剤でのつけおき洗いが最適です。
漂白剤ですが衣類のダメージが少ないのが特徴なので、毎日の洗濯にぜひ取り入れてみてください。

塩素系漂白剤は白い服やシーツ、枕カバーなど白物に使用します。
殺菌・消臭効果が高く、ニオイ対策に活躍してくれます。
強力な漂白力を持つため、色物や色柄ものには使用できません。
頑固なシミやニオイを落とせる頼もしい洗剤ですが、使用できる素材が限られていますので注意してください。

洗濯洗剤と合わせて柔軟剤でも加齢臭対策をするとより効果的ですよ。
柔軟剤は抗菌効果や防臭効果が高いものを選ぶようにしましょう。
ただし注意して欲しいのが、香りの強い柔軟剤の場合には加齢臭と混ざって不快なニオイになることもあります。
柔軟剤などのニオイで誤魔化すという方法もありますが、あまり強いニオイは「香害」になってしまいます。
自分のニオイはわかりにくいので、周囲の人に対する配慮が必要ですね。
加齢臭を落とすための洗濯方法

加齢臭のニオイを落とすためには、洗濯の方法にもコツがあります。
まずは、洗濯のタイミング。
できるだけ早く洗濯しましょう。
2〜3日分の洗濯物をためておいて、一度にまとめて洗濯する人もいますが、オススメしません。
ニオイのついた衣類は、すぐに洗ってニオイを蓄積させないように心がけましょう。
次に加齢臭の原因に注目します。
加齢臭のニオイは皮脂が原因なので、衣類に付着した皮脂(油)をしっかり落とす必要があります。

皮脂汚れは油のため、冷たい水では落ちにくいので要注意です。
洗濯の水の温度は高いほど、汚れをしっかりと落とすことができます。
皮脂汚れは40〜50度のお湯で洗うのがベスト。
洗濯にはお風呂の残り湯などを上手に利用するのがいいですね。
ただし、衣類の素材によっては色落ちや痛みが出る場合があるので、洗濯表示をよく確認してみてくださいね。
洗濯機だけではニオイが落ちないときは、つけおきを試してみましょう。
ぬるま湯に洗剤を少量溶かし、1時間ほどつけおきすると汚れを浮かせることができます。
なんとなくニオイが取れないときは試してみてください。
加齢臭を落とす洗濯のポイント
- なるべく早く洗濯してニオイを落とす
- お湯で洗濯して皮脂を落とす
- つけおきで汚れを浮かせる
- 洗濯表示は必ずチェックする
どうしても落ちないニオイには、熱湯で洗うという方法もあります。
熱湯だと皮脂汚れやニオイもよく落ちますが、熱に弱い素材だとダメージを与えてしまうので、しっかりと洗濯表示を確認してください。
まとめ
加齢臭は独特な体臭のため、周囲の人に気付かれやすいです。
満員電車やエレベーターなどでは自分のニオイが気になりますよね。

加齢臭は皮脂が酸化することで発生すると言われています。
年齢を重ねていくと、サラサラだった皮脂がねっとりとした皮脂に変化していきます。
ねっとりとしているため洗っても落ちにくく、加齢臭特有の「油っぽい」体臭になってしまうのです。
加齢臭の原因である皮脂を取り除くことが、加齢臭対策の基本です。
ただし体を清潔に保つだけでは、実は対策としてはまだまだ不十分なんですよ。

ポイントは身につけている衣類。
衣類はニオイが移り、蓄積してしまいます。
体から加齢臭があまり発生していなくても、服からニオイが出ている状態では対策ができているとは言えません。
肌着や下着類、ワイシャツや枕カバー、布団カバーなど、体に触れている時間が長いものは特に注意してください。

こまめに着替えと洗濯を心がけるだけでも、ニオイを軽減することができます。
さらにニオイの移りにくい天然素材の服を選んだり、加齢臭を落とす洗濯洗剤を使用したりすることも対策方法として有効ですよ。
加齢臭対策のポイント
- 身につける衣服は常に清潔に
- 洗濯物はためずに、すぐ洗濯
- 洗濯する水の温度は40〜50度
- しつこいニオイにはつけおき洗い
- 洗濯表示をチェックする
服の繊維に皮脂が付着し、それを洗濯で落としきれないとニオイとして蓄積されていきます。
そのため「きちんと洗濯しているのに、なんとなくクサイ」という状態に陥ってしまいます。
服に染み付いた加齢臭は、お湯洗いや漂白剤でのつけおきを上手に活用するのがいいですよ。